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ロシアが払う莫大な戦費…戦争が起きるか否かは経済力で決まる | 幻冬舎ゴールドオンライン


(※写真はイメージです/PIXTA)

戦争の多くは経済的な対立の延長線上で発生しています。戦争の勝敗のカギを握るのも経済力です。戦争とお金との間には、切っても切り離せない密接なつながりがあるのです。経済評論家の加谷珪一氏が著書『戦争の値段 教養として身につけておきたい戦争と経済の本質』(祥伝社黄金文庫)で解説します。

戦争とお金の関係は切り離すことができない

■戦争が起こるか否かは、経済力が左右する

 

多くの日本人にとって戦争というのは現実的な話ではありません。ニュースで見聞きすることはあっても、身近な問題として戦争をイメージできる人は少ないでしょう。日々の生活と戦争はまったく関係ないものだと考えている人がほとんどだと思います。

 

しかし、こうした考え方は、改める必要があるかもしれません。

 

戦争の多くは経済的な対立の延長線上で発生していますし、戦争の勝敗のカギを握るのもやはり経済力です。また圧倒的な経済体力の差があれば、戦争そのものを回避することも可能です。つまり、戦争とお金との間には、切っても切り離せない密接なつながりがあるのです。

 

本連載はこうした戦争とお金の関係性について論じたものです。

 

平時の経済活動が活発で、人の往来が多く、新しい技術やサービスがたくさん登場する国ほど、実は高い戦争遂行能力があります。

 

また、高度な金融市場を持ち、世界各国からお金を集めることができる国は、圧倒的に有利な立場で戦費を調達することが可能です。

 

一方、内向きで経済が活発でない国は、戦争でも大きな成果を上げることはできません。つまり、強い国家になるためには、日常的なビジネスを活発にすることが何よりも重要となるのです。

 

日々の営業活動や買い物が、国家の戦争遂行能力に結びついているといわれても、あまりピンとこないかもしれません。しかし、こうした日常的な力の差が、戦争の勝敗を決定づけることになり、最終的には戦争そのものを回避する有力な手段となるというのが現実なのです。

 

■日本は常に紛争に巻き込まれるリスクを抱えている

 

中国の軍事的台頭や安保法制の成立など、このところ、日本をとりまく環境は大きく変化しています。

 

しかし、朝鮮半島や中国をめぐる各国の経済的な利害対立は、今に始まったことではなく、基本的な図式は何も変わっていません。これは、歴史を振り返れば容易に理解することができるはずです。

 

戦争はないに越したことはありませんが、昔から日中韓の3国は、紛争の火種を抱えており、日本は何らかの形で国際紛争に巻き込まれるリスクを常に抱えているのです。

 

国会でかなりの論争となった安保法制の問題も同様です。

 

米国は現在でも継続的に戦争を実施しており(その是非はともかくとして)、日本はその最大の同盟国の1つです。安保法制の有無にかかわらず、日本が米国の戦争に関わる可能性は常に存在していると考えたほうが自然でしょう。

 

日本人は、太平洋戦争以後、自らが当事者となる戦争を経験していませんから、戦争が経済にどのような影響を与えるのか、基本的な感覚を持ち合わせていません。

 

しかしこうした状況はあまり望ましいものとはいえないはずです。

 

「戦争は他の手段を持ってする政治の継続である」という『戦争論』(クラウゼヴィッツ1780年~1831年)の一節を引き合いに出すまでもなく、経済的な対立が政治的な対立となり、そして軍事的な対立に発展する可能性は常に存在しています。

 

戦争が起こった時、経済や社会がどう動くのかについてあらかじめ知っておくことはとても重要です。

 

また、戦争が発生すると、そこには巨額のマネーが動くことになりますから、ある種の人にとっては、大きなビジネスチャンスになり得ます。

 

人の死を背景にしてお金儲けをするというのは不謹慎な話ですが、これも戦争が持つもう1つの側面でもあるわけです。

 

こうしたことからも、戦争とお金の関係は切り離すことができないどころか、むしろ一体として考えるべきものであることがおわかりいただけると思います。

 

そうであるならば、私たちは、戦争とお金の問題について、もっと真剣に向き合う必要があるでしょう。

 

戦争とお金に関するしっかりとした知識があれば、いざという時に慌てる必要がなくなりますし、他国と何らかの問題が発生した場合でも、感情的にならずに済みます。

 

本連載においては、筆者が独自に収集した歴史資料も活用し、可能な限り定量的に、そして客観的に戦争とお金の関係についてまとめました。

 

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