ドイツ経済は来年0.4%縮小する公算が大きいと、同国の主要経済研究所が予測した。エネルギー危機のあおりで、4月に予想した3.1%拡大の予想から大きく引き下げた。
ドイツの4大経済研究所は29日発表した半期に一度の報告で、同国の今年と来年の国内総生産(GDP)は5カ月前の予測と比べ1600億ユーロ(約22兆4000億円)低くなると説明。エネルギーコストの劇的な上昇を原因の一部に挙げた。この報告は、政府が経済見通しを策定する際の指針として利用される。
4大経済研究所の一つ、ライン・ウェストファーレン経済研究所(RWI)の経済調査責任者で、合同経済予測プロジェクトグループの報道担当を務めるトルステン・シュミット氏は「ロシアのウクライナ攻撃と、その結果生じたエネルギー市場の危機がドイツ経済の顕著な低迷を引き起こしている」と述べた。
エネルギーの逼迫(ひっぱく)は中期で緩和すると見込まれるものの、ガス価格は危機前の水準を大きく上回る水準にとどまる可能性が高いとし、これは「ドイツの繁栄が恒久的に失われることを意味する」と4大経済研究所は指摘した。
4大経済研究所は今年の独経済成長率見通しを2.7%から1.4%に下方修正。インフレは今後数カ月に加速し、来年の平均は8.8%に達すると見込む。今年の平均は8.4%と予想。2024年には2%に向けて徐々に低下し、経済成長もプラスを回復する公算が大きいとみている。
原題:
German Economy Seen Shrinking 0.4% Next Year on Energy Crisis(抜粋)