本作は、EA内のEA Originalsレーベルから2023年2月17日に発売を予定しているハンティングアクションゲームだ。「無双」シリーズほか多数のアクションゲームを制作しているコーエーテクモゲームスのスタジオ「ω-Force」が開発を担当し、最大3人のco-opクロスプレイに対応している。
舞台は封建時代の日ノ本、あづまの国。プレイヤーは獣狩(ししがり)として、多彩な武器によるアクションと、古代の技術「からくり」を駆使して活路を切り拓いていく。敵は「動物×自然」をコンセプトとし、あづまの国の自然と融合した幻想的な獣が立ちはだかる。
EA Originalsスタッフがゲーム概要を紹介
まずは、プロデューサーの早矢仕 洋介氏(コーエーテクモゲームス取締役副社長 兼 エンタテインメント事業部長)が動画で登場。「ω-Force」のブランドコンセプトである“皆で楽しめるアクションゲーム”を体現すべく、4年ほど前から開発を行ってきたこと、ハンティングゲームというジャンルへのリベンジでもあると説明していく。
本作のコンセプトは「ハンティング×クラフティング」。巨大な獣を狩るハンティングゲームの魅力はそのままに、プレイヤーの手でアイテムを創造するクラフィティングを組み合わることで、新たな王道を作り出したいそうだ。
続いて、EA OriginalsのシニアPRマネージャー・Cristian Delgado氏、エグゼクティブプロデューサー・Lewis Harvey氏が「WILD HEARTS」の特徴を紹介。プレイヤーは自然と融合した巨大な獣たちへ、武器やからくりを駆使して立ち向かっていく。巨大な鳥、猪、狼のほか小型の蛙なども登場し、獣はその巨体での突進をはじめ周囲の環境を変化させた攻撃も仕掛けてくる。
プレイヤーはスタミナが続く限りどの獣でも登ることができる。獣の弱点を狙うことで効率よくダメージを与えられ、より多くのアイテムが入手できる。敵はある程度ダメージを与えると暴走のような状態になり、この状態になると攻撃力が高まるようだ。
武器には弓、刀、傘、槌などがあり、弓は命中させる難易度が高い分、威力も高いという。獣との相性も考えながら、手に入れた武器や防具の中から最適なものを活用していくことになる。獣を倒した後は、武器ごとに異なる形でとどめを刺すカットシーンが入る。
バトルは最大3人のメンバーで挑み、パーティによって難易度が変化。組んだプレイヤーとはメインストーリー、サイドクエストなども一緒にプレイ可能で、バトルのペースはかなり早い設計。ソロプレイも可能で、その際は“可愛い相棒”が助けてくれるそうだ。
氷雪の狼「ラセツ」との壮絶な戦いの後、プレイヤーはからくりが使えるようになる。からくりには空を滑空するグライダー、グライダーを使い獣に飛び乗るための足場、巨大な石や自分自身をぶつけるカタパルトのようなもの、遠方に飛び移るジップライン、壁や拠点のようなもの、大きなダメージを与える爆弾など多彩な種類がある。例えば高所からグライダーで降下し、獣に不意打ちをかけるといった使い道も。からくりはフィールドに残るので、例えば他のプレイヤーのワールドで罠の使い方を学ぶといったこともできるそうだ。
フィールドには桜が象徴的な春、海に囲まれた島のような夏、戦で荒れ果てた砦が舞台の秋、氷に包まれた冬といった大きな4つのゾーンがあり、中央都市のミナトからアクセスできる。このミナトという地を元の状態に戻していくというのも、プレイヤーが戦う目的のひとつとなる。
ハンティングゲームとしての差別化や気になるポイントに開発陣が回答
最後に、イベント中に寄せられた質問へ開発陣が回答していくQ&Aセッションが行われた。
――武器や防具にはどのようなものがありますか。カスタマイズも可能ですか?
武器は8種類あり、バリエーションは200以上あります。防具にも獣のようなものなどさまざまなデザインがあり、強度やアビリティを維持しながら見た目だけを変えることも可能です。
――「モンスターハンター」との比較は避けられないと思いますが、どのようなアピールポイントがありますか?
本作はバトルのペースが速く、アクションRPGの要素が強いことです。フィールドで走ることもできますし、戦闘状態にない場合はいつまでも走ることができます。スプリングボードやカタパルトを使ってフィールドをより早く、遠くへ移動もできます。スキルセットやコンボはアクションRPGと似ていると思います。
また、からくりのシステムが本作のイノベーションであり、差別化となっています。これによってプレイヤーの創造性が試されます。からくりは獣を倒すためだけではなく、冒険にも活用できます。クエストやco-opは「モンスターハンター」のファンも十分に楽しめると思います。
――本作は、いわゆる“狩りゲー”をプレイしたことがなくても楽しめますか?
もちろんです。狩りゲーに求められる“掴み”の要素はもちろん、コーエーテクモゲームスさんとのパートナーシップを通して、このゲームで初めて狩りゲーをプレイした人にも受け入れられるようチュートリアルをデザインしました。武器の使い方やからくり、プレイヤーの立ち位置、ゲームシステムについて学ぶ機会は十分にあります。
――トレーラーから獣のサイズが印象的でした。クライミングはパズルのようなものなのか、それとも「ワンダと巨像」のようなイメージなのでしょうか?
獣は色々なサイズがあります。大きな獣を倒すためには、しがみついて登ることは重要な要素のひとつです。弱点を突くために必ずしも登る必要はありませんが、弱点を突くとからくり用のクラフトが得られます。一部の獣はクライミングがかなり求められるでしょう。近くの壁を登って有利なポジションを取るといった戦略的な行動も求められます。
――ほかのプレイヤーより有利になるアイテム課金(武器/スキル)はありますか?
本作にアイテム課金の計画はありません。もしやるとしても、純粋に装飾的なものだけになるでしょう。
――クラフティングは中心的な役割となっていますが、街/村でも使えるのでしょうか?
中央都市のミナトでも使えます。例えばキャンプのからくりを作ったら、プレイヤーか獣に破壊されない限りフィールドに残ります。先ほど紹介したように、ほかのプレイヤーのワールドでからくりの使い方を学ぶこともできますし、罠を作ったりマップにショートカットを作ることもできます。ゲームを進める中でミナトをリビルドする要素もあり、ここにもクラフティングが絡んできます。
――からくりは戦闘バランスにどの程度影響しているのでしょうか? からくりをマスターしないと先に進めないのか、それとも武器だけでもクリアできるのでしょうか?
ゲームのバランスを考えるうえで、からくりは重要な要素です。からくりを活用しないと、獣はなかなか倒せないでしょう。とはいえプレイヤーの中には、武器だけでクリアしようとする人も出てくると思います。もしかしたら私たちが想定していない武器の使い方をするプレイヤーもいるでしょう。ただ、からくりを使う前提でゲームバランスを取っています。
――3人の協力プレイにフォーカスした理由を教えてください。
開発初期は4人も試しましたが、面白くなりませんでした。4人だとプレイヤー側もごちゃごちゃしてしまいますし、バランスも難しい。そして4人より3人のほうがメンバーを集めるのも容易ですよね。そうした理由があります。そしてクロスプレイもこのゲームで非常に重要ですから、最善の答えを出したと思います。
――クロスプレイでは、別のプラットフォームへ移るクロスセーブも可能ですか?
ゲームが提供されているプラットフォームであれば、どれでもクロスプレイが可能です。ゲームの進捗を記録するクロスセーブについては申し訳ありません。
――ファンタジーの日本のビジュアルは、どこからインスピレーションを得たのでしょうか?
これはコーエーテクモゲームスさんからお話しいただいたほうがいいと思います。
――本作にはどれくらいストーリーがありますか?
本作はほかの狩りゲーと比べて、ストーリーテリングを強化したいと思っています。今日はネタバレとなってしまうためお話しできませんが、本作において物語はとても重要であるということだけお伝えしておきます。多数の言語でローカライズしているのも、ストーリーをきちんと伝えたいという意図があるからです。これからローンチに向かってキャンペーンを行っていく中で、きちんとストーリーについても紹介していきたいと思います。
――からくりにはメトロイドヴァニア的な要素があるのか、それとも各マップは最初からすべて探索可能なのでしょうか?
各エリアからプレイヤーを締め出すことは基本的にありませんが、最初からいきなり行かない方がいいマップもあるでしょうね。冒険する中では隠された場所をからくりで発見することもできますし、一部のゾーンにアクセスするにはからくりが必要になります。すべて最初から行けるわけではなく、からくりを使って学んでほしいです。
――バトルに時間制限はありますか? 無制限でじっくりと戦うことはできるのでしょうか?
バトルの種類によります。ストーリーの一部となっている戦いに時間制限はありません。ただサイドクエストなど、追加的なチャレンジについては時間制限があります。
――先ほどもお話しにでましたが、もう1度どれくらいの種類の武器があるのか教えてください。各武器のプレイスタイルやスキルにはどのようなものがありますか?
武器は8つあり、それぞれユニークなプレイスタイルがあります。遠距離も近距離もありますし、バリエーションは200以上です。例えば獣をスタンさせるとか、プレイスタイルを特化するのもいいでしょう。各武器の素晴らしいところは、それぞれからくりを含めたユニークなスキルセットがあります。どのからくりを使うかによって、所持している武器とのユニークなコンボを行うことができます。
――EA Originalsに本作が加わる重要性を教えてください。「It Takes Two」をはじめとするゲームに続き、どのようなゲームやジャンルをターゲットにしているのでしょうか?
EA Originalsは、最高のクリエイターと協力して素晴らしいゲームを出していきたいと思います。コーエーテクモゲームスさんというパートナーと組んで、完全オリジナルの狩りゲーを出せることを嬉しく思っています。EAの役割は、この素晴らしいゲームを世界に届けることです。スタジオが大きくすでに確立されたコーエーテクモゲームスさんのような存在だけでなく、まだ成熟しきっていない小さなところでも何でもいいんです。ただ純粋に、ユニークでクリエイティブなコンテンツがあるところと協力していきたいと思います。
――プレイヤーのフォローアップとして、報酬が手に入る時限イベントのようなものを行いますか?
予定はありますが、まだ作業中なのでお話しできることはありません。