【バンコク=藤川大樹】日本や米国、中国など21カ国・地域でつくるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議は19日、タイの首都バンコクで2日目の討議を終え、焦点となっていた首脳宣言を採択して閉幕した。
首脳会議は18日から2日間の日程で行われ、持続可能な経済成長や自由貿易の推進を議論。首脳宣言で、ロシアによるウクライナ侵攻への言及を巡り意見が対立したが、ロシア側の主張を盛り込み、両論を併記することで折り合った。
宣言は「ウクライナでの戦争が世界経済にさらなる悪影響を与えている」と強調。エネルギーや食料の価格高騰、サプライチェーンの混乱など「世界経済の
一方で、現状認識や対ロシア制裁などに関し「異なる評価があった」として、ロシア側の主張も反映させた。
首脳会議では、多くの参加国がロシアのウクライナ侵攻を「強く非難」した。岸田文雄首相は会議で「ロシアの核兵器による威嚇や使用は、国際社会の平和と安全に対する深刻な脅威であり、断じて受け入れられない」と主張した。
また、持続可能な経済成長を実現するため、気候変動への取り組み支援や環境保全、天然資源の管理などの方策を盛り込んだ「バイオ・循環型・グリーン(BCG)経済に関するバンコク目標」も採択された。
来年のAPECは米国が議長国を務める。