世界の経済成長に対する投資家の悲観度は後退したことが、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のファンドマネジャー調査で明らかになった。中国経済の回復期待が高まっているという。
マクロセンチメントは依然弱気なものの、2023年の景気悪化を見込む回答は69%と、先月の73%から減った。調査は運用資産合計7280億ドル(約99兆9400億円)のファンドマネジャー281人を対象に2-8日に実施した。
新型コロナウイルスを完全に抑え込む「ゼロコロナ」政策を撤回した中国で、成長が回復すると見込む回答は約75%と、わずか13%だった11月から増えた。
インフレ懸念も薄れつつある。マイケル・ハートネット氏らストラテジストがまとめた12日のリポートによると、向こう1年でのインフレ率低下を予想する回答は過去最高の90%に上った。一方、企業利益について弱気な見方は続き、91%が23年に利益の伸びが悪化するとの見通しを示した。
Source: BofA Global Fund Manager Survey, Bloomberg
投資家は相対的に株式よりも債券にポジティブで、債券に対する株式ポジションの比率は09年以来の低水準にある。調査参加者の約27%が23年に最良のパフォーマンスとなる資産は国債と回答。25%が株式と答えた。
Biggest Risk
What do you consider the biggest ‘tail risk’?
Source: BofA Global Fund Manager Survey, Dec. 2022
来年最大のテールリスクは、インフレ高止まりと深刻な世界的リセッション(景気後退)と見なされている。その他の懸念材料はタカ派の中央銀行や、地政学的情勢の悪化、システミックなクレジットイベントだった。
原題:BofA Survey Says Investors Are Less Gloomy on Growth Over China(抜粋)