ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツのグレッグ・ジェンセン共同最高投資責任者(CIO)は、新型コロナウイルス感染拡大防止策として散発的なロックダウン(都市封鎖)を3年間に実施した中国が首尾よく経済活動を再開できた場合、インフレ圧力が強まって利上げにつながり、米欧の経済成長にとってリスクになると指摘した。
15日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューでジェンセン氏は、中国の経済活動停止は同国経済鈍化を通じ、世界の他地域にとって「恵み」になってきたと述べた。
同氏は「このディスインフレの要素が世界的なインフレに組み込まれている」とし、「米欧がリセッション(景気後退)に入りつつある一方で、中国の経済活動再開と、世界的な原材料獲得競争に伴う商品価格への影響があれば、中央銀行のジレンマは恐らく深まるだろう」と予想した。
ブリッジウォーター・アソシエーツのグレッグ・ジェンセン共同CIOが語る
Source: Bloomberg
またジェンセン氏は、米金融当局が進めている引き締め政策を理由に次の米景気下降は過去のリセッションより長期に及ぶとの見方を示した。
「米金融当局は長い間、景気の支え役に回ることはないためリセッションは通常の期間の2倍程度を見込む」とし、「朗報は金融システムのレバレッジがさほど悪くないことだ。2008年のような連鎖的な影響はない。だが恐らく2、3年は不振が続くことになり、結果的にそれが資産価格に反映され始める」と語った。
また「景気後退は話題に多く上っているが、ほとんど織り込まれていない」とした上で、米金融当局の動向から、来年にかけて見込まれるリセッションやドル資金不足に焦点が移る中で、「比較的大きな動きを目の当たりにするだろう」と述べた。
原題:Bridgewater’s Jensen Sees China Reopening Fueling Inflation Risk(抜粋)