サマーズ元米財務長官は同国経済の見通しについて、「全て順調に推移する」確率はせいぜい15%程度だとして、持続的な高インフレか景気悪化のいずれかの確率の方がずっと高いとする判断を示した。
サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米経済のリスクバランスに関する質問に対し、次の見解を示した
- 経済が順調に推移する確率は10-15%
- 2%を上回るインフレ率がしばらく続く確率は50-55%
- 米金融当局がインフレ抑制のため「われわれが望むよりも」景気を下降させなければならなくなる確率は30-35%
こうした分析はサマーズ氏が今年早い時期に示していたものよりも悲観的な数値だ。同氏は以前、インフレ高進、リセッション(景気後退)、順調な景気動向の確率をそれぞれほぼ同程度とみていた。
サマーズ氏は「私が従来考えていたよりも景気悪化、高インフレの確率が多少高くなった。それはインフレ率が上昇し、市場の脆弱(ぜいじゃく)性が高まり、米金融当局がこれまで考えられていたよりも一段と後手に回っているためだ」と語った。
サマーズ元米財務長官は同国経済が順調に推移する確率をせいぜい15%程度と予想
Source: Bloomberg
原題:
Summers Sees Just a 15% Chance of U.S. Economy Working Out Well(抜粋)