今回は暮れの大一番、有馬記念(G1)を予想していく。
先週は残念ながら的中できず……。ジオグリフが馬券圏外に飛んだこと、そしてセリフォスが来たところまでは予想通りだったが、結果的には人気どころのワンツースリーで決着。
ローテーションを重視すると、特に困るのが「前走特別戦」というケースだ。特別戦は開催時期の移動や、場合によってはレース自体がなくなっていたり、新設されていたりと過去データが通用しないことが多々ある。一方で、その特別戦まで絞って買うと予想外の穴馬券を取れたりするので、ここが競馬の難しいところ、とでも言おうか。
さて、予想に戻ろう。
例によってまずは過去10年馬券に絡んだ30頭の前走データを見てみる。
ジャパンC 11頭
菊花賞 7頭
天皇賞・秋 4頭
凱旋門賞、エリザベス女王杯、金鯱賞 各2頭
アルゼンチン共和国杯、海外遠征 各1頭
となっている。やはり秋の古馬王道G1シリーズの最終戦として駒を進めてくる馬が多いということだろう。菊花賞からの臨戦が次いで多いが、注目はその内容。菊花賞馬が5頭含まれ、うち3勝を挙げている。逆に意外と少ないのが天皇賞からの転戦組。この4頭分は近3年に集中しているのが特徴的だ。
続いて人気別の成績が以下となる。
1番人気 6-1-1-2
2番人気 1-1-3-5
3番人気 1-1-2-6
4~6番人気 1-2-2-25
7~9番人気 1-3-2-24
10番人気以下 0-2-0-65
となっている。1番人気が勝率・連対率・複勝率ともに圧倒している。近5年に絞っても1番人気が馬券圏外に飛んだのはアーモンドアイが大敗した19年のみだ。数字で見ると2番人気以下はどんぐりの背比べだが、率として見ると7~9番人気の連対率・複勝率が侮れない。

これを踏まえての「◎」は7番クロノジェネシスとする。
前走は中継で視聴した方も多いであろう凱旋門賞(仏G1)。道中2番手の積極策に出るも、極悪馬場にスタミナを奪われ、直線伸びずの7着に終わった。凱旋門賞大敗からの巻き返しで馬券に絡んだ馬にゴールドシップがいる。
ここで注目しておきたいのは、近年あまり見られなくなったが「リピーターの好走」傾向だ。
オルフェーヴルは11年と13年に出走してともに1着、ゴールドシップは12年から14年まで3年連続出走で1着・3着・3着、15年から17年にはキタサンブラックが3着・2着・1着、15年と16年はゴールドアクターも出走し、1着・3着を記録している。17年と18年にはシュヴァルグランがともに3着というケースもある。
今回の出走馬ではクロノジェネシスのほかにキセキとユーキャンスマイル、モズベッロ、ペルシアンナイトがリピーターに該当するが、4頭とも前年に大敗している。その点、クロノジェネシスは前年の覇者。有馬記念連覇は、過去にも例がある。
陣営のコメントは最高のデキ、引退レースも完璧な仕上げ……とはほど遠い「今回はさすがにちょっと」のようなテンションの低いもの。だが、同世代の桜花賞馬グランアレグリア、オークス馬ラヴズオンリーユーが、それぞれ引退レースを勝利で飾っただけに、秋華賞馬の本馬も引退レースのここで勝ちは譲れないだろう。