【12月26日 東方新報】12月8日から10日にかけて行われた中国の中央経済工作会議は、海外から高い関心を集めた。
来年、中国は北京冬季五輪、第20回党大会、成都2021FISUワールドユニバーシティゲームズ、杭州2022アジア競技大会など多くのイベントを開催するが、経済に直面する下方圧力は強まっている。会議では「安定を重要視する」ことを打ち出し、経済活動の重点を「マクロ経済の大局を安定させ、経済運営を合理的な区間で維持する」ことに置いた。
中国の経済的圧力の源は主に3つある。
①国内経済が「需要収縮、供給ショック、予期の弱体化」という3重の下方圧力を受けていることだ。
②不安定な外部の経済環境だ。新型コロナウイルス感染拡大が続いており、オミクロン変異株が発見されたことを受け、多くの国で旅行制限が実施されているほか、日本では感染拡大を避けるため、1か月間の「国境封鎖」暫定措置が発表された。
③世界経済の「複線的な回復」で、各国の経済政策の調和が難しく、中国経済の安定維持にも課題を投げかけている。
中国がマクロ経済の安定を保つためには、まず「安定成長」が必要だ。下方圧力が拡大し続ける中、中国の財政刺激の度合いは高まり、財政支出とインフラ建設投資はさらに「前置」される。「安定成長」と同様に重要なのが「安定の期待」だ。政策の安定性と持続性を維持することに加え、企業を救済し、より緩和されたビジネス環境を作らなければならない。今回の会議は、より緩和的な金融政策で企業の融資コストを下げるシグナルを発信し、2022年の株式上場登録制の全面実施や「専精特新(専門性・精密化・差別化・新規性)」企業の育成などの政策も打ち出した。
中国は経済の安定的な成長を全力で保証すると同時に、改革と経済構造の改善・アップグレードを引き続き推進し、日本に新たな協力の機会をもたらす。経済成長を安定させるためには投資をけん引する必要がある。財政支出やインフラ建設を通じて投資を増やすほか、中国は外商による直接投資に有利な政策をより多く採用し、金融などの分野でも改革を加速させることで、日本企業の中国での発展にとってより良い環境を作り出せるだろう。
外部環境の不確実性の増大は中国経済が直面する厳しい課題であり、経済が安定を求めるにも「安定した環境」が必要だ。中国は日本を含む主要な経済貿易パートナーと協力を強化することができる。中国と日本は緊密な供給関係を維持しており、経済を促進するためにも、日本はサプライチェーンの安定を維持し、エネルギー危機や円安などの経済に深刻な衝撃をもたらすリスクを避ける必要がある。そのため、日本は中国とサプライチェーンの維持、国際エネルギー供給や価格、国際金融の安定維持などの面で積極的に協力しなければならない。専門性、精密化、イノベーションはいずれも日本企業の得意分野であり、日本の新素材、新エネルギー、バイオメディカル、文化クリエーティブなどの新興産業は強い国際競争力を持っている。日本企業は中国企業と技術協力や産業協力を強化することで、中国市場を広げる力になるだけでなく、供給の多角化を実現し、日本経済のリスク耐性力の強化にも役に立つだろう。(c)東方新報/AFPBB News